『中世の軍記物語と歴史叙述』目次・執筆者

佐伯真一編『中世文学と隣接諸学4 中世の軍記物語と歴史叙述』(竹林舎、2011)の目次と執筆者のリストがウェブ上で見当たらないので、自分で打ち込みました。自分も参加しているので、リストがあれば便利かな、と思ったわけです。昔、「本の目次を写すは楽し」(http://d.hatena.ne.jp/okjm/)が頼りになりましたが、もう数年間、更新されなくて残念ですね。

*(番号)は便宜上付けました。原本にはありません。

I 軍記物語と外国文学
(1)『平家物語』の世界的位置ー『オシアン』との同質性と異質性を通じてー(日下力)
(2)楊貴妃譚の変容ー延慶本『平家物語』「楊貴妃被失事」をめぐってー(山田尚子)
(3)『三国志演義』と『太平記』における怨霊と聖地ー関羽・新田義興の比較、付・アーサー王伝説との類似性ー(藤巻尚子)

II『平家物語』と歴史叙述
(4)延慶本『平家物語』にみる源義経(元木泰雄)
(5)『平家物語』の征夷大将軍院宣をめぐる物語(櫻井陽子)
(6)大いなる虚報ー治承四年十一月の南都蜂起と『平家物語』ー(佐々木紀一)
(7)敗北する検非違使(樋口大祐)
(8)幼帝安徳の同輿者ー母后と准母と乳母をめぐってー(平藤幸)

III『太平記』と歴史叙述
(9)『太平記』の「知」(大津雄一)
(10)『太平記』と「気」(佐倉由泰)
(11)歴史叙述と本文改編ー『太平記』における二系統の本文をめぐってー(小秋元段)
(12)筑紫合戦と『太平記』(北村昌幸)

IV 軍記物語と思想・宗教・風土
(13)延慶本『平家物語』の天狗とその背景(牧野和夫)
(14)『平家物語』と仏事儀礼(牧野淳司)
(15)「一念阿弥仏」偈の受容層ー『平家物語』が語る〈法然による重衡救済物語〉の位相を考えるためにー(源健一郎)
(16)『曽我物語』と鷹狩ー畠山重忠の鷹談義をめぐってー(二本松康宏)

V 歴史叙述の諸相
(17)天武皇統と歴史叙述ー私撰国史論への一段梯としてー(大橋直義)
(18)歴史叙述と時刻ー吾妻鏡原史料続考ー(高橋秀樹)
(19)『神皇正統記』の歴史叙述(下川玲子)

VI 武士と合戦の諸相
(20)源平内乱期における「甲斐源氏」の再評価(野口実)
(21)『平家物語』における合戦叙述の類型ー屋島合戦の位置と〈壇ノ浦合戦〉の創出ー(鈴木彰)
(22)軍記物語にみえる一騎討(近藤好和)
(23)「血の叙述」と軍記物語(坂井孝一)

VII 軍記物語の外延
(24)一関藩田村氏の自己認識形成ー坂上姓の主張とその背景ー(志立正知)
(25)異国征伐戦記としての百合若大臣文献群ー異国戦争挿話の変容を中心としてー(金時徳)
(26)「軍記」概念の再検討(佐伯真一)