『彼らの見た壬辰倭乱』に関する疑問と答え

昨日『彼らの見た壬辰倭乱』が印刷され、各メディアに送られました。そして、今晩は某新聞社の学術担当記者の方からの電話があり、インタビューを行いました。

向こうが一番気にしていたのは、「壬辰倭乱の史実ではなく、それに関する日本人の考えを知ることが、韓国人の読者に何の意味を持つのか」ということでした。これは、私が研究を始めて以来、いつもぶつかる問題でもあります。

この質問に対する私の答えは、「人々の考え方を支配するのは、現代的な意味の史学ではなく、それぞれの時代に主流として存在した言説だ」ということです。史実の究明は勿論重要ですが、それとともに、とある事件が同時代にどのように語られ、後代に受け継がれ、とある集団の世界観を形成するかという問題も重要です。

しかも、壬辰戦争に関する近世日本人の見方というのは、多くの現代日本人に継承され、また、日本への興味から日本のことを勉強し始め、やっているうちに韓国への興味が沸いてきて韓国のことをべんきょうするようになるケースの多い欧米人にも影響しますので。