佐々木孝浩『日本古典書誌学論』(笠間書院、2016)

佐々木孝浩先生の初めての単著『日本古典書誌学論』(笠間書院、2016)を賜りました。本をめくりながら、考え込んでしまいます。

写真の下の2冊は、2006年下半期と2007年上半期に慶応大学斯道文庫で高橋智先生と佐々木先生のご講義を聴講した際の教材でした。

それから10年。当時、一緒に講義を受けていた一戸渉さんは現在、斯道文庫の教授になっています。また、韓国で韓・日比較書誌学の道を歩むべく孤軍奮闘していた李裕利さんは、現在、斯道文庫に留学中。

そして、2007年に藤井隆『日本古典書誌学総説』をもって講義なさっていた佐々木先生が、今回、ご自身の書誌学論を世に問います。「書誌学は文学作品を読み解く上で何の役に立つのか」というテーゼ。「本」という器と「本文」という内容物との関係。そして、「大島本源氏物語」問題に見られるような、間違っていると思う権威への挑戦。

思うのは、私は、あまりにも簡単に本を書いてしまっているということ。

ありがとうございました。