先週、日本で頂いた玉著

先週、日本で頂いた玉著・玉稿が沢山あります。そのうち、まずは本の紹介です。

志茂碩敏『モンゴル帝国史研究 正篇 中央ユーラシア遊牧諸政権の国家構造』(東京大学出版会)
:大著。贅言は要りません。2015年度日本学士院賞の受賞作にもなりました。

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-021077-5.html

和田敦彦『読書の歴史を問う‐書物と読者の近代』(笠間書院)
:昔読んだ紅野謙介の『書物の近代 メディアの文学史』(筑摩書房)と対を成すような本です。「第3章◉読書の場所の歴史学」のうち、「鉄道と読書」などは特に面白い。副題のように、この本が問題としている時代は近代です。前近代を対象とする研究、たとえば、鈴木俊幸の『江戸の読書熱―自学する読者と書籍流通』(平凡社)とは、必ずしも緊密に問題意識を共有しているとはいえない。このような断絶は、前近代と近代の両方を研究する人たちにもっと自覚されるべきではないかと思いました。故・前田愛のような研究者が偲ばれます。そういえば、前田愛のコレクションは一括でアメリカのコーネル大学に入りましたが、アメリカの研究者にあまり利用されていないという噂を聞いています。残念。

http://kasamashoin.jp/2014/06/post_2951.html

下斗米伸夫編『日ロ関係 歴史と現代』(法政大学現代法研究所)
:ロシアと日本の研究者による論集です。論点は様々ですが、面白い論文がいくつも載っていてためになります。「第二章 明治維新前後生まれの日本知識人がイメージしたロシア ──二葉亭四迷と内田良平の場合」は、小林実先生の『明治大正露文化受容史―二葉亭四迷・相馬黒光を中心に』(春風社)と合わせて読むといいと思いました。

http://www.h-up.com/bd/isbn978-4-588-63039-2.html