つぶやき、2012・10・25

数ヶ月の間に発表した原稿を投稿用文章に書き直す作業をやっていた数日間でした。8月にソウル大学で発表した壬辰戦争・丙子戦争の比較研究の原稿は、内容が実験的だっただけに、処理にも苦労しています。英語の学術誌に投稿する選択肢もあり、来年3月にカナダの学会で発表した後、現地の雑誌に投稿する方法も考慮しています。やはり3月にアメリカで発表する論文も英訳する必要があるし、せっかく英語圏で交流する機会を得たので、笠間書院で出した単著を英訳して持っていくかとも思ったり。悩みの多い10月末ですね。

とにかく、論文の投稿といった、ややこしいが重要な業務を終えると、次の仕事が目に入ってきますね。金・土に地方で発表およびフィールドワークし、戻ってから、某博物館で展示される和本・古文書の解題を書きながら週末を過ごすつもりです。家蔵の文献・文書も数点お貸しします。その後は、来週末の書誌学会・韓国書誌学会での発表文の作成。「近世日本の書誌学について」といった仰々しいテーマを依頼されてから随分悩みましたが、結局、壬辰戦争・太閤記類の実物をお見せしながら、近世日本の文献の流れといくつかの問題を検討することにしました。このような内容では、雑誌の投稿は到底無理ですね。

11月16日には「歴史と治癒」といったテーマの連続講義の一コマを任されまして、壬辰戦争と治癒、的な話をします。この数ヶ月間、一般人向けの講演を何回かやる内に、多少、空しさを感じていました。この講演は果たしてどうなるでしょうかね。講演といった問題系において、研究者としての岐路に立った気持ちです。知り合いの先生に相談したところ、確かに、この問題に関しては、今後の研究者としての歩みを決定する重大な選択をしなければならないそうでした。

他は、日本の知り合いの先生が著された新作の書評、壬辰戦争をテーマに戦争記念館で開かれる大会で討論、そして、まだ実行の有無が流動的な発表が一つ。徐々に発表の数を減らし、『懲?録』の訳解作業の準備を本格化する時期です。このごろ、時間は遅くも速く流れる気がしてきます。12月ももうすぐでしょう。混沌として落ち着かない「今」が速く過ぎ去るように。