8月末ー9月初旬に頂いたご著書・玉論

最近頂戴しました先生方のご著書・玉論を紹介させていただきたいと思います。

●高橋圭一 講談に関する諸文章
:最近、19世紀の中・後期における文芸のものを考えておりまして、高橋先生の講談論に頼るところが多くなってきています。自分には特に弱いジャンルなので、玉論を拝読しつつ、感覚を身に着けていきたいと思います。

●佐島顕子「日韓の漫画を通して見る隣国」『韓国研究センター年報』12、九州大学韓国研究センター、2012・3
:佐島先生とは最近になって色んな交流をさせていただいております。先生の近況そのものが、最近の、依然として複雑でありながらも深化しつつある韓・日関係を象徴するような気がいたします。

●大島明秀『史料と人物IV』中津市教育委員会、2012・3
●(熊本県立大学編著『ジェーンズが遺したもの』熊本日日新聞社、2012)
:相変わらず親しくしていただいている大島先生。この度も蘭学にかかわる資料集を送ってくださいました。いつか『蘭学事始』を自分が韓国語訳したい、といったひそかな願いを抱いているだけに、このような資料集はありがたいです。

●和田琢磨「『太平記』「序」の機能」『日本文学 特集・序・跋を問いなおすー中世文学史への回路ー』V.61、2012・7
:親愛なる和田先生の『太平記』論。最近は中世から近世へと研究範囲を広げていて、同じように、時代を超えての文芸の流れを追っていくことを試みる私に刺激になります。

●バク・ビョンド『日本の地震信仰と鯰絵研究ー1855年の安政地震と世直しー』、ソウル大学大学院宗教学科修士論文、2012・8
:とても読みやすく、しかも網羅的な修士論文です。バク先生は日本への留学が決まっていらっしゃるので、ご研究の更なる進展を期待してやみません。

●吉丸雄哉「五百崎虫の評判」『鳥獣虫魚の文学史 虫の巻』、三弥井書店、2012
●吉丸雄哉「平成22年 国語国文学界の動向 近世散文」『文学・語学』203、全国大学国語国文学会、2012・7
:いつもよくしてくださる、兄貴のような気がする吉丸先生。共著『鳥獣虫魚の文学史 虫の巻』は、韓国でも似たような企画ができそうなので、この本をこちらの先生方に紹介したいと思います。なお、『文学・語学』には拙著『異国征伐戦記の世界』に触れられ恐縮です。諸先生・先輩・同僚・後輩とのネットワークの中で自分の研究が進化し、深化していくものだと、常々思います。