2012年の下半期の最初の日

昨日は前近代日本文献講読会を終えて、妻と一緒にアジトに行き、真夜中まで友人らと一杯飲みながら暇な一時を過ごしました。そして、先ほど、再来週に発表する文章を完成して発送しました。「壬辰戦争の記憶‐19世紀前期に日本で翻刻された朝・日両国の壬辰戦争文献を中心に‐」.

『異国征伐戦記の世界』は、私としては近世日本の壬辰戦争言説を網羅的に追跡したものでした。しかし、当然、私が追った文献・言説の系譜は完全なものではありませんでした。拙著で解決されないままであった問題のうち、林羅山・堀杏庵などが著した文献の成立史に関しては、井上泰至先生との共著『秀吉の対外戦争』で取り上げました。そして、もう一つの空白だった、水戸学における壬辰戦争言説というものが今回の発表のテーマです。今回の短い発表を以って「水戸学という巨大な対象の全貌を明らかにする」などとは決して思っておりません。只々、自分の今までの研究に存在する空白を埋め、今まで深入りしなかった領域へと進むための一歩を踏み出しただけのものです。

このようにして、2012年の下半期の最初の日が終わりつつあります。