『西征日記』と『三田渡碑』

『清正高麗陣覚書』・『高麗船戦記』に続いて『文献と解釈』に掲載する近世日本の壬辰戦争文献は『西征日記』です。この文献は当時小西行長率いる第1軍に属していた僧天荊によるものです。解題に書いたように、戦後に全体にわたる整理が行われたと思われますが、ともあれ、天気から日々の戦闘の様子、日本占領期のソウルの状況、朝鮮叛民や親日派朝鮮人の動向などが細かく記されていて、翻訳しながらあれこれと思いついたことが多々ありました。

 先ほど原稿を発送したので、3月の残り半分は、ゆっくりと水原博物館大学での講演内容を構想することができると思います。あと、4月の満州語の講座では『清語老乞大』と『三田渡碑』を読みます。日本語と満州語で書かれた文献を読みながら、16世紀末〜17世紀前期にかけて急激な展開を見せた東アジアの歴史と朝鮮国の運命について考えることが、今後の自分の重要なテーマになると思います。