一戸渉『上田秋成の時代―上方和学研究』

　一戸渉氏の新著『上田秋成の時代―上方和学研究』（ぺりかん社、2012）を頂きました。門外漢ながら、氏の得意である（と勝手に思っている）、周りのもの（諸和学者）を丹念・実直に調査していき、核心の対象（上田秋成）に一気に大技をかける豪快さが感じられます。氏のこれまでの諸研究が『上田秋成の時代』というタイトルに収斂されるということは、（もう一度申し上げますと、門外漢ですので）必ずしも予測してはいませんでした。しかし、タイトルを見た瞬間、なるほど、と感じたのも確かです。

　個人的なことを言いますと、氏の扱われるテーマは、近世文化の中でも、自分と最も遠距離にある存在です（もう一つの対極は漢文学です。恥ずかしい･･･）。ということで、この辺のことをも勉強せねばあかん、との氏のお教えとして受け取り、がんばって拝読します。何かすみません。そして、おめでとうございます！