『鄭鑑録』『唐四柱』『土亭秘訣』『万歳暦』

今日は和算に暦に雑書に、久しぶりにごろごろしながら燃えましたね。特に暦には、今の自分の研究とは無関係に、無性に惹かれます。

近世日本の暦を気にする理由の一つは、朝鮮時代から続く暦である『万歳暦』などに関する文献学的な分析のヒントを得るためです。朝鮮時代から現代韓国に至る間には、『大統暦』をはじめとする様々な暦がありましたが、その中でも、『万歳暦』は、現在も占い師に使われる、最も通俗的な形の暦です

『唐四柱』に関しては、来年、慶応大学で共著(報告書)が出ますが、朝鮮時代以来の問題的な四大文献、即ち、預言書の『鄭鑑録』、通俗的な占い書の『唐四柱』、正月の初占いに使う『土亭秘訣』、そして、『万歳暦』類のうち、やっと一つについて自分の考えを述べたに過ぎません。

『鄭鑑録』については研究が進んでいますが、日本の『未来記』『野馬臺詩餘師』などとの比較研究の可能性は残っています。『土亭秘訣』は、文献学的なアプローチの糸口が見えないのが現状で、『唐四柱』の場合と同様、日中の文献との比較研究で、初めて全貌が見えてくる事が予想されます。ともあれ、自分の本領でである前近代日本の戦記・戦争言説の研究を進めつつ、じっくり構想を練っていくつもりです。今は、周りの人々に助けられながら、現物資料や情報を集めている段階です。

『鄭鑑録』『唐四柱』『土亭秘訣』『万歳暦』。この、実に興味深い四つの書名を覚えて頂けてたら有難いです。