ソウル市長補欠選挙の結果に関して

今日の選挙についてつぶやいたことをまとめました。

4%差〔YTN〕。誤差2.3%範囲以上で野党側の勝利。

十年ぶりの野党側出身のソウル市長が誕生。地方自治体においては、どのようなイデオロギーを持った勢力が執権を握るかではなく、勢力の交代が頻繁に起こること自体がより重要だと思っている。中央政治に比べ、市民の関心・監視が薄れやすい地方政府では、勢力の交代がないと腐敗が起こりやすいためである。

個人的な見解では、今回のソウル市長選挙において、与党候補の最大の直接的な敗因は「年会費1億ウォンの美容室を利用する」ということであった(もちろん、いちいち列挙できないほどの、現政権による「治績」「寄与」があるのであるが)。10年前、金大中元大統領政権の崩壊が始まったきっかけは「高級婦人服ロビー事件」だった。人間は意外と小さなことで人を憎むものである。現代韓国では、イデオロギーではなく、支配層への市民の「嫉妬」が政治を揺るがす。

今回の選挙によって、無所属の候補を野党連合が支持する形が確固たるものとなった。この構図は来年の国会議員選挙・大統領選挙の際にも現れるはずだ。今回の大敗によって、与党側の分裂は自明のこととなったので、与党勢力においても、無所属候補を諸与党勢力が支持する形が現れる可能性がある(実際、そのような試みもあったが、失敗した)。

これは一見、現在日本の選挙で見られる形態に類似するが、日本と韓国は政治制度が異なるので、その意味は同じではない。韓国の場合、これは、究極的には、韓半島の南部の東西を基盤に置いた旧来の二大政党が弱体化し、ソウルと非ソウルをそれぞれ基盤に持つ二大政党へと再編する過程で現れる現象と見たい。

ただし、政党制度が改変されて、ソウルの「標準市民」層に支持される政党が現れるとしても、その政党が労働階級までを包括するとは思われない。崔章集(チェ・ジャンジブ)先生のご指摘のように、労働階級の意思を代弁する政党が存在しないという事実が、韓国の民主主義制度を深刻に歪曲させている。そのような政党は、いまだに現体制よりその誕生を許されていない面がある。