『佐賀偉人伝』シリーズ

『佐賀偉人伝』、いいシリーズです。改めて読みながら、そのような感想を抱きました。信頼できる伝記の数々。特に、尊敬する高橋博巳先生の『草場佩川』は、実にいいですね。高橋先生の文名は日本よりも海外でより高いです。

一方で、分量に限りがあるためなのか、それとも、別の思惑があるのかは分かりませんが、納得できない記述も時々見かけます。

例えば、古賀家と深いつながりを持つ洪(こう)家は、秀吉の朝鮮侵略の時に捕虜として連れられて訪日し、定着したケースです。これを『古賀穀堂』では「洪家は帰化人の後裔で、祖先は藩祖直茂の近侍で学者の洪浩然」(15頁)と説明しています。私にはこの文章が「ごまかし」に感じられて仕方ありません。