水戸光圀ゆかりの『新刊東国通鑑』の板木533枚・・・90年ぶりにソウルで見つかる

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水戸光圀ゆかりの『新刊東国通鑑』の板木533枚・・・90年ぶりにソウルで見つかる

『中央日報』単独で記事が出ました。

壬辰戦争の時に日本に略奪された『東国通鑑』の版本を元に水戸光圀が作らせた『新刊東国通鑑』の「板木」。1919年に、第3代朝鮮総督の長谷川好道が朝鮮総督府学務局学務課分室(旧奎章閣)に535枚を寄贈しましたが、1928ないし1933年以後、行方が分からないままでした。

日本の学界ではこの板木が無くなったか、それとも、韓国内のどこかの機関に埋もれていると推定してきましたが、去る12月16日、現在のソウル大学奎章閣韓国学研究院に533枚が現存することを確認しました。今まで私が調べた限り、1940−50年代に刊行された前間恭作の『古鮮冊譜』の段階で既に忘れられ、韓国の学界でもこの板木の存在を知らないままだったようです。この板木を検討したごく一部の先学も、この板木が以上の由緒を持つ和刻本の板木であることを知らなかったようです。

これからもこのような発見は韓国内で続くと思います。韓半島の外に流出された文化財の所在を確認するのと同時に、韓国内にどのような文化財が埋もれているかを確認する作業も緊急課題であることを感じました。

2015年1月2日(金)、文献と解釈研究会で下記のタイトルで報告します。日本には2015年3月末刊行予定の岩波『文学』3・4月号に掲載させていただく予定です。

90年ぶりに再発見された奎章閣蔵『新刊東国通鑑』の板木について
ー戦争史と文献学の接点ー