『韓国音楽の巨匠たちーその千年の音を聞く:韓国音楽名人列伝』

昨日、ソン・ジウォン先生の『韓国音楽の巨匠たちーその千年の音を聞く:韓国音楽名人列伝』(太学社、2012)を入手しました。出版社からの帰り道でほぼ半分を読んでしまいました。すごい吸引力です。伝統時代の韓半島に存在した音楽家・楽器・楽譜といった、私には馴染みのない素材を、説得力のある文章で綴ったことから、このような吸引力が生まれたことでしょう。特に、最近の個人的な感情とも相俟って共感した文章を引用します。はい、秋です・・・

「知識人は孤独な存在である。誰も彼に何の役割も任せたことがないためである」。サルトルが『知識人のための弁明』でずばりと言った言葉である。歌を職業に一生を送った歌客・張友壁のことを考えるたびに、私はいつもこの言葉を思い出す・・・誰も彼に歌曲(カゴク)を発展させるといった役割を任せはしなかったが、彼は唯々、黙々と自分の道を進み、朝鮮時代後期に歌曲を発展させた主要人物として突出している孤独な存在であるからである。(200頁)