台湾文献叢刊

『台湾文献叢刊』を検討中。川口長孺のものが2つ入っている。琉球列島に関する文献を載せるのは「大琉球・小琉球」論争の反映か。台湾に関する韓半島の文献はなかったんだろうから叢書に含まれなかったことだが、そうでない場合も、中・日両国で作られる叢書には韓半島の文献が含まれない場合が多い。

(追加)

 今夜も台湾文献叢刊を眺めてて、オランダ語・日本語・英語などで作成された文献が含まれていないことに違和感を感じる。漢文で大陸・台湾・日本で書かれた文献のみ。尚、前回も指摘したように、大・小琉球論争の反映か、琉球列島に関する文献も含まれている。このような構成からイデオロギーを感じる。

「 台灣文獻叢刊 」簡介:「台灣文獻叢刊」係由原前台灣大學法學院院長周憲文先生號召台灣史研究學者專家,窮十五年心力,搜集海內外圖書館珍藏編輯而成,從1959年8月至1972年12月陸續出版,此乃為台灣2200萬民眾的共同記憶。叢刊共309種595冊累計總字數為4800萬字,是台灣有史以來最重要也最龐巨的學術工程。http://t.co/6LhJvne

:大陸との関係を強調し、西洋との関係を見えづらくし、日本への親近感を露見することで、「台灣2200萬民眾的共同記憶」を作り上げると読み取れる。「台湾文献叢刊」は重要で膨大な業績であり、研究者にとってとても便利な作業であることに間違いない。ただ、その膨大さゆえに、編集者が無意識の中に示す、中国語を話す台湾の学者としての姿勢、台湾イデオロギーというものが読み取れるといえるのである・・・ともあれ、便利、便利。ありがたいです。