某友人の、共著『秀吉の対外戦争』へのコメント

歌舞伎を研究する某友人が、共著『秀吉の対外戦争』の書評を書いてくれましたので、許可を得て私のブログに転載しました。

新刊の井上泰至・金時徳『秀吉の対外戦争』(笠間書院)読了。日本側の用語でいう文禄・慶長の役に関する文学についての論考10章と対談。「歴史」の語り方には必ず何らかの「意図」が介在するのだが、それは自国の「正義」を主張するためであったり、娯楽としての要請であったり。ここ2年ほど明治維新を描いた歌舞伎を追いかけていたりで、文学において「歴史」をいかに語るかという問題には非常に関心があるので興味深く読んだ。しかし、そのような専門的な関心とは別に、唯一正しい「歴史」というものが存在するのかという問題を考えた上で、いたずらに感情的な対立でも、単なる大衆文化の消費とニアイコールの「交流」でもない「第三の道」を隣国との関係において築くために、多くの人にとって必読の一冊だと思う。あんまり良く書くとやらせっぽいので、文句もつけとくと、演劇に対する言及が少ない!笑