今回いただいた本

この度の日本近世文学会・高麗大学大会は大変な盛況でした。遠く、ソウルまでいらっしゃった日本の先生方、お疲れ様でした。

さて、今回、知り合いの先生から何冊もの本をいただきましたので、思い出として書いておきたいと思います。

まず、和本から。某先生より近世末期の「太閤記物」を3冊いただきました。高木元先生のおっしゃる切付本(「切附本書目年表稿」http://www.fumikura.net/other/kiridata.html)に当たるものだと思います。この種のものは、留学時からヤフーオークションで少しずつ集めていますが、何よりも、自分の本を出す際に、挿絵として有用でした。壬辰戦争に関するものだけでなく、より広く深く和本を読み、集めていきたいと思う次第です。

次は、洋装本3冊。

延広真治先生の『江戸落語-誕生と発展』(講談社学術文庫、2011)
西鶴研究会編の『西鶴が語る江戸のダークサイト』(ぺりかん社、2011)
吉丸雄哉先生の『式亭三馬とその周辺』(新典社、2011)

延広先生の御著書に関しては、私は感想を書くような立場にはいません。ただただ、後学として、ぜひとも、これからもどんどん御著書を出版していただければと願うのみです。

『西鶴が語る江戸のダークサイト』は染谷智幸先生より頂戴しました。ご存知の『江戸のミステリー』『江戸のラブストーリー』に次ぐ「西鶴が語る」シリーズの第3冊目。私は、近世日本の様々な文化活動のうち、文芸の場合は時代物と世話物に大分されると思っておりまして、どちらかといえば、時代物が好きで、世話物には難しさを感じます。これはおそらく、人情の機微を読み、人々との付き合いをうまくやっていく能力が自分に不足していることとも関係すると思います(昨日の懇親会でも、この問題で某先生に苦言をいただいたばかりですが・・・)。なので、この本を読んで、人間勉強することにします!

吉丸雄哉先生は、おそらく国文研のとある研究会ではじめてご挨拶したと思いますが、いつも暖かいご教示のお言葉をくださり、今回はご著書までくださいました。いつもいただくばかりで、後学・後輩としては恐縮するのみです。この本は「1章 田舎芝居・素人芝居と滑稽本」「2章 戯作の種々相」「3章 読本の戦闘場面」「4章 狂歌・狂文」の全4章構成で、個人的には第3章が最も興味深いところです。1・2・4章については、上でも申し上げましたとおり、「世話」の勉強が自分に不足しているため、これからの課題としたいと思います。